AI-SHIPSシンポジウム(AIを用いた新たな毒性予測に向けて、AI-SHIPSプロジェクト― 事業の成果と今後の展望 ―):二月二十一日開催、に参加いたしました。 このAI-SHIPSシンポジウムにて、改めてAI(人工知能)とは何であるかについて考えさせられたので、現時点で改めましてAIとは何であるかについて考えてみたいと思います。
本ブログの名称は「人工知能による創薬、安全性評価ブログ」です。 従って、本ブログの中での討論は「化合物」を中心として展開される様々な展開分野に関し、AIをどのように適用するのかという観点に関する討論を行うことを目指しております。 特に、創薬や安全性評価という研究の広い裾野と様々な関連研究分野より構成される適用分野での討論をターゲットとして討論してまいりました。
今回の「AI-SHIPSシンポジウム」への参加/討論で強く感じたことは、AI-SHIPS は「AIを用いた・・・」というフレーズがプロジェクト名にトップで大きく掲げられています。 従ってAI に関する研究がプロジェクトの主体テーマであると感じますが、実態は従来型のWET系の実験を中心とした展開であるということです。 これが「AI-SHIPSシンポジウム」に参加した時に強く感じた違和感となります。 肝心の、「AIを用いた・・・」というところは、従来型のシステム構築で済ませているのが実態であったということです。極めて残念です。
AIの適用に関しては、機械学習を行えばAIという観点で考え、多変量解析やパターン認識を適用することでAIを適用したと主張しております。 この観点でAIを実施したと主張されると、日本では、少なくとも化学研究分野、AIの展開や適用ノウハウ等が育たなくなります。 現在、デジタル(IT)国家を標榜する大きな流れの中で、IT技術の先端技術として急速に拡大しているAIを、中途半端な形で定義し、あいまいなものとすることは極めて憂慮されるべきことと考えます。
化学分野でのAI実施には様々な困難が待ち受けていることは明確です。 このブログでも様々な形で問題を提起し、討論を行っています。 AI実施は難しいというのは誰もが知っていることです。 この困難性に正々堂々と立ち向かって、様々な問題にチャレンジし、突破してゆくことがIT国家には必要なことではないでしょうか。 このようなことを目指して実施するのが国家プロジェクトの責務と考えます。
□以下は参考となる項目です。
1.AI-SHIPSシンポジウムへの参加報告です。
2.チャットで行った質問内容に関する報告です。
3.「計算毒性学研究会」主査の、湯田によるシンポジウム参加の報告です。
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