2021年12月15日水曜日

CBI学会2021年大会のセミナー実施結果報告です:想定よりも多くの方々に参加いただきました。

 株式会社インシリコデータの湯田が主査を務めますCBI学会の「計算毒性学研究会」が企画・主催致しました化学データサイエンスおよび人工知能関連講習会の結果報告です。開催されたのは、大会前日に半日にわたって実施されたチュートリアル(TS-02)と、大会最終日に実施されたフォーカストセッション(FS-08)です。

 TS-02のチュートリアルは、思い切ったタイトルで「半日で知る、化学分野のデータサイエンスおよび人工知能概要としました学会らしくないタイトルなので参加者が集まるか心配だったのですが、予想を超える約50名の方々に参加いただきました。なお、このチュートリアルは、計算毒性学研究会内部に設立されます「化学データサイエンスおよび人工知能討論、勉強会」への協賛企画となっております。
 タイトルの内容的に初心者の方々が集まると思いましたので、参加者はもっと少ないかと予想していたのですが、嬉しい誤算となりました。同時に化学分野へのデータサイエンスやAI適用に興味を持つ方々が多いということに、嬉しく、同時に今後の展開に力を尽くすべきと励まされました。

 FS-08のフォーカストセッションは、”「化学データサイエンスおよび人工知能討論、勉強会」立ち上げ会”のタイトルで実施されました。CBI学会としては「データサイエンスやAI」を標榜する最初のグループとなります。どの程度の方々の参加があるのか不安でしたが、当日は我々の予想を超えた約150名という多くの方々の参加があり、化学分野のデータサイエンスやAIに対する関心の高さが証明された形となりました。

 本ブログのメインタイトルは「人工知能による創薬、毒性評価」となっております。これらの研究業務は基本的に化合物を中心に展開されるもので、この意味で”化学”データサイエンスおよび人工知能となります。化学の分野への人工知能やデータサイエンスの適用は、歴史的に新しいものではなく、長期にわたり展開されてきたものです。現在のデータサイエンスや人工知能は営々と築かれてきた、化学分野の適用研究の基礎の上に展開されます。この意味で、化学のアナログ情報とコンピュータのデジタル情報との連携や融合の基本を理解しながら、最新のデータサイエンスや人工知能を適用することが極めて重要です。

 なお、TS-02の講義にて用いられた資料は「計算毒性学研究会」のホームページにアップされておりますので、興味ある方々はご参照ください。




2024年度のノーベル賞について。ノーベル賞の受賞対象範囲や該当分野が大きく変化した。

  今回のノーベル物理学賞はAI 関連研究に授与されました。これは、従来のノーベル物理学賞の受賞範囲には無い範疇で、物理というよりは情報学分野であり、しかもアルゴリズムに関する研究という点で、ノーベル賞の選考委員会が時代を変える新たな分野にも展開しようとする大きな流れを示すものと...